日本漫画の会ブログ

世界風刺遺産・風刺ユーモア大好き人間の集まりです。

2013年06月

世界や日本の今を、風刺とユーモアの個性的な発想と自由な形式で、漫画の可能性を追求する会です。

チョン・インキョンさん個展 於地球堂ギャラリー

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各年ぐらいに日本漫画展に参加していられる京都精華大学講師のチョン・インキョンさんの東京での初個展のご案内です。
チョン・インキョン風刺マンガ展
期間:2013年7月22日(月)~7月27日(土)
場所:地球堂ギャラリー
オープニングパーティが22日(月)5時~7時会場にて開かれますので、皆さまぜひお越しください、とのこと。西田
 

アイディア待ち

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九州の西山進さんからの暑中見舞い、「アイディア待ち」   西田
 

日本漫画2013展のお知らせ

      日本漫画の会2013展のご案内です、今年のテーマは!!
         そして出品者はご覧のようになっております。
               
 
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参加メンバー全員知恵を絞って製作中!!
 

世界を騒がせた漫画

 今週は多忙につき、簡単な説明しかできませんが、今日ご紹介するのはとびっきりおもしろいサイトです。
ナポレオンに”ヨーロッパの全兵士より強烈に俺をたたきのめした”と言わせたギルレーの漫画から、南米のザピーロの大統領レイプ事件風刺漫画まで15の、世界を騒がせた漫画が紹介されています。
 
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 これはイギリスのフィリップ・ゼックの作品。第二次大戦終了後の1945年5月8日のデイリーミラーに掲載されたものです。
「ほら、もう二度と手放すんじゃないぞ」
そう言って、傷ついた兵士が勝利と平和の月桂樹を一般人である読者に手渡すのです。足元には兵士たちの屍が。戦争の真実と平和への願いが凝縮された私の大好きな漫画です。奇をてらったデフォルメもなく、きわめてオーソドックスながら一級の描写力が、私たちにしっかりメッセージを伝えているのです。漫画家として一番大切なのは、伝えたいという思いの強さだと教えてくれます。
 
 さて、そのゼックの作品がこの「世界を騒がせた漫画15点」の中に入っているのです。やはり、そういう人だったんだ、と嬉しくなりました。
 その漫画は7番目。戦争のさなかの1942年、艦隊の燃料用のオイルを運ぶタンカーが敵の魚雷に当たって撃沈、水兵が板にしがみついて大西洋を漂っている漫画です。キャプションは”ガソリンの値段が上がり続けているー政府広報”というものですが、彼はこの漫画によって、オイルの運搬で巨万の富を稼いでいる海運業者を非難しているのです。若者よ、悪辣な海運業者だけをもうけさせるような戦争には行くな!と言いたかったのでしょう。戦時の議会をもっとも紛糾させた漫画の一つです。
 6番目の漫画は第一次大戦のときのもので、キャプションは「ドイツタンゴ」、古典的に有名な漫画です。
ドイツはこの漫画家に、生死に関わらず、捕縛に12,000ギルダーの懸賞金を掛けたといいます。
 
 
11、モハメット漫画は説明はいりませんね。フランスのプランチュの作品で「私はモハメットを描いてはいけない」という文字でモハメットの肖像を描いています。当時フランスではいっせいにイスラム圏の反応をからかう漫画を掲載しましたが、プランチュのこの漫画が一番秀逸でした。
13、オバマの就任挨拶のとき、ニューヨーカーの表紙になった漫画も物議をかもしました。メッセージ性のないきわめて下品な漫画だと思います。
14.それに反してこちらはさすがにピューリッツア賞受賞者のアート・スピーゲルマンの表紙絵。私には当時の事件の記憶がないので、今一つピンときませんが、なんでもニューヨークのポリスが武装解除した無実の移民に41発の弾丸を撃ち込んだ事件を風刺したもののようです。この漫画を見た250人の警官がニューヨーカーのオフィスにピケを張ったのだそうです。ニューヨークポストの編集者は紙上でスピーゲルマンに「もしあなたが襲われたり家族が脅迫されても110番に通報してはいけない、バプティスト教会のアル・シャープトンに電話しなさい」とアドバイスしています。
15、最後のが南米のザピーロ。大統領の強姦事件を風刺したもの。大統領の方は合意だと言っているそうです。しかも、相手の女性がHIV確定者だったのですぐにシャワーを浴びた、と述べたので、大統領の頭にシャワーがついているのです。この漫画でレイプされてるのはレディジャスティス、正義の女神、司法のシンボルです。
司法も大統領をかばった、ということでしょうか。私個人の好みとしては、頭にシャワーなんかをつけたために、
冗談ぽくなって、かえって風刺力が弱まってしまっています。西田

国際的に活躍する政治漫画家

 カートゥーニストといいましても、シュールなナンセンス漫画、大衆に愛されるヴィジュアル系ユーモア漫画やギャグ漫画そして新聞、雑誌を舞台に活躍するエディトリアルカートゥーニストと様々です。エディトリアルというのは日本の新聞の社説にあたりますので、エディトリアルカートゥーニストは編集者・論説委員の書いた社説と同じ重さを与えられた政治漫画ということになります。決して社説の解説イラストではありません。漫画で意見を発表する、その新聞社の顔ともいうべき存在です。フランスではル・モンドのプランチュが有名で、彼はジャーナリストとしての自負をもって、紛争地を飛び回っては記事や漫画を描いています。
 今日ご紹介するのは、政治漫画家世界地図のサイトです。私の知っている人より知らない人の方が多いので、どういう基準で選んでいるのかわかりませんが、知っている人から類推すると、国際的に活動をしている漫画家さんということになりましょうか。国際的なプレスカートゥーン(新聞・雑誌などの印刷物を発表の場とする漫画)の活動というと、展覧会、ワークショップ、講演などで、定期的なものと不定期なものがあります。このマップの日本のところは、山井教雄さんが出ていて、フランス語でスピーチしています。
 漫画家の国際活動のひとつ、カートゥーニング フォア ピースのサイトを下につけました。これは2006年ニューヨーク国連本部で当時のアナン事務局長が12人のトップカートゥニストを招聘してスタートしました。その後人数を増やして、会場をダボス会議場に移しましたが、モハメット問題で危険になったので、不定期に国を変えて催されることになり、その後は私は知りません。久しぶりに見たら、ここのサイトもすっかり充実しています。トップ画像は先日ご紹介したリバー・ハンソンの米中首脳会談ですね。日本からは山井さんがこの活動に参加されていました。
 
 
 
 日本を代表する政治漫画家というと、国内活動状況からいうと、やはり朝日&産経の山田紳さんだろうと思うのですが、彼は語学はご堪能ですが、活動家タイプではないようで、国際的認知度はいまひとつです。また、日常的に外国の人と付き合っていないと、外国人に分かるように国内問題を描くのは難しいもので、そんなことも日本人漫画家の国際進出をはばんでいます。それにしても、政治漫画に関する限り、日本は鎖国しているかのようですね。西田
 
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